2011年05月19日

温泉の科学 第1回

温泉の科学 第1回


まずは、「温泉とは」というところから
始めましょう。

と言っても、温泉を定義するのは難しい
問題です。
一般的には温度が高い水であり、また
硫黄などの成分が含まれている水という
ことになると思います。

ここでは、日本には「温泉法」という法律があり、
そちらを参照してみることにします。
温泉法での、温泉の定義は次のとおりです。


1.泉源における水温が摂氏25度以上

もしくは、

2.以下の成分のうち、いずれか1つ以上のものを含む。(含有量は1kg中)
 1.溶存物質(ガス性のものを除く。) 総量1000mg以上
 2.遊離炭酸(CO2) 250mg以上
 3.リチウムイオン(Li+) 1mg以上
 4.ストロンチウムイオン(Sr++) 10mg以上
 5.バリウムイオン(Ba++) 5mg以上
 6.フェロ又はフェリイオン(Fe++,Fe+++) 10mg以上
 7.第一マンガンイオン(Mn++) 10mg以上
 8.水素イオン(H+) 1mg以上
 9.臭素イオン(Br-) 5mg以上
 10.沃素イオン(I-) 1mg以上
 11.フッ素イオン(F-) 2mg以上
 12.ヒ酸水素イオン(HAsO4--) 1.3mg以上
 13.メタ亜ひ酸(HAsO2) 1mg以上
 14.総硫黄(S)[HS-,S2O3--,H2Sに対応するもの] 1mg以上
 15.メタホウ酸(HBO2) 5mg以上
 16.メタけい酸(H2SiO3) 50mg以上
 17.重炭酸ソーダ(NaHCO3) 340mg以上
 18.ラドン(Rn) 20×10-10Ci以上
 19.ラジウム塩(Raとして) 1億分の1mg以上

です。
1によれば、単に25℃以上のお湯が出ていれば、純粋な真水で
あっても、温泉と呼ばれることになります。
また、2の成分に着目すると、それぞれがどんなものなのか
専門家でなければ想像がつきにくいものかもしれません。

次回は、温泉のカルテである、花山温泉の成分分析表を利用
上記の定義の成分がどれくらい含まれているのか見てみましょう。  

Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 18:49Comments(0)温泉の科学