2021年02月24日

「火星の音」をスペクトル解析してみた

米国の航空宇宙局(NASA)の火星探査車
「パーシビアランス(Perseverance)」が無事到着したニュースが話題になっています。
昨日は、同探査機で録音された「火星の風の音」がネットに公開されて
これまた話題になっています。

NASAのサイトでは、二種類の音声がアップロードされています。
1つは探査機のノイズも込みのもの(生音に近いのかな?)と
もう1つは探査機のノイズをフィルター処理して、ノイズを低減したもののようです。
ぜひ、下記のサイトにアクセスして、火星の音を楽しんでください。
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-mars-perseverance-rover-provides-front-row-seat-to-landing-first-audio

火星はかなたにあるお隣の惑星です。近づいたときでも、約6000万キロメートルだそうです。
地球よりは少し小ぶりな星だそうですが、大気があり、風が吹き四季もあるそうです。
朝焼けや夕焼けもあるみたいです。
でも大気はとても薄くて、地表の大気は約7hPa程度だそうです。
地球は約1000hPaですから相当薄いですね。

NASAのPodcastで解説を聞くと、空気が薄いので音がソフトに聞こえるそうです。
火星の大気中での音の聞こえ方がシミュレートされて、それも聞くことができます。
https://soundcloud.com/nasa?fbclid=IwAR3oHdtvfMMIc-Vx0lcqNu_JVLruQQDJ36RlhaNjE2HsYIQDbgMdoLy190w

はるか遠くの星で聞こえる音を聞くことができるなんて不思議ですね。

録音されたのはDPA4006という無向性のマイクで市販されていたマイクだそうです。
https://www.hibino-intersound.co.jp/dpa_microphones/208.html

その音を聞きながら、スペクトログラムを描いてみたらどうかと思って試してみました。
スペクトログラムとは、音声波形を短時間フーリエ変換したもので、
周波数帯の時間変化をある程度確認できるものです。
(不確定性原理のため時間分解能と周波数分解能はトレードオフになります)

まず、ノイズ込みのもの波形を描くと、

です。
約18秒のものです。
これのスペクトログラムを描いたものがこちらです。

専門家でもないので分かりませんが、
波形の振幅が大きいくなってるところで確かにスペクトルが大きくなっているように見えます。

特に工夫もせず、ハミング窓という窓関数をかけたものなので、最適な窓関数や
オーバーラップなども変えれば違う見え方がするかもしれません。

でも、こうやって最新の宇宙探査の一端に触れられるのはとても好奇心が刺激されますね。

一方のノイズ除去の音声の波形とスペクトログラムはこちらです。



たしかにノイズ成分が除去されているように見えます。
16kHzあたりの波打つ線がなんなのか気になりますね。

火星探査の新たなニュースも楽しみです。


  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 20:02Comments(0)スタッフ日記

2020年10月03日

ARで地形の学習をめざして。AR砂場的システムの開発中

先週、インテルのデプスカメラRealsense D455が届きました。
注文してからなかなか発送されず、気をもんでいましたが、
デンバーを発ち、インディアナポリス、アンカレッジを経由して
日本に届いたようです。


横幅15cmほどの小さな箱が1個だけでした。

中身はこんな感じ。




基本的には赤外線カメラ2つを用いて、
カメラからの距離を測るようになっています。

これを使って、職場にAR砂場のような地形教育できるコンテンツを
おけないかと思っていました。

AR砂場ってのは、米国のUC DavisのオープンソースARsandboxや、
日本ではオープンソースのMagic-sandを使ったART Teknikaさんの「砂場マッピング」
有名です。

「砂場マッピング」は2018年の佐賀県で開催された「ボクの土木展」で話題だったそうです。
また、寒地土木研究所さんはARsandboxを使って展示をされていたりするそうです。

ともかく、私はまだ現物を見たことはないのですが、動画や記事から、とても興味深く感じていました。

調べたところARsandboxはマイクロソフトのKinectにのみ対応。砂場マッピングは昨年D435対応版を
公開されたみたいですが、新しいD455には対応してません。

買うなら、最新の機種を、と思い購入しました。
で、あとは、自分で作れそうだと思い始めたところです。

開発に使う言語はPythonにしました。ずっとJavaでプログラミングしてましたが、
画像処理をするにあたってC++で開発されてるOpenCVに関する情報があまりなかったためです。
Pythonだと、RealsenseのSDKやOpenCVのラッパーに関する情報も多く、
また、等高線等を引くライブラリも充実しています。
Pythonは触ったことがある程度だったので、大学院での勉強もかねてです。

4日ほど、帰宅後にちょこちょと触ってたら、それなりに
リアルタイムで深度情報を使って等高線を引けるようになりました。

実際にプロジェクターを使ってAR砂場的なことができるのか試して、
職場の仲間にフィードバックをもらったところです。
開発としてはまだまだですが、方向性は見えてきました。



様子をYoutubeに上げてみました。
雰囲気分かっていただければ幸いです。

https://youtu.be/4PZBwr44SII






  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 09:21Comments(0)スタッフ日記

2020年07月12日

高感度地震観測網Hi-netデータを扱う その2

地震波形データを取り扱うための処理システムであるWINシステムの
インストールから始めます。
システムはubuntu20.04を想定。

0.開発環境を整える。
sudo apt install
を使って、g++,gcc,gfortran,tkなどを
インストールしておく。
他にもx11関連もインストールしなくてはいけない。libx11-devとか?
コンパイル時にエラーが出るので、その都度、
ググったりしながら対応する必要がある。

1.WINシステムのダウンロード
東京大学地震研究所のサイトにアクセス。
http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/WIN/

ダウンロードサイトから
WIN_pkg-3.0.6.tar.gz
(2020年7月12日現在)
を取得。

2.ダウンロードしたファイルを/usr/localにコピーし、展開
sudo cp WIN_pkg-3.0.6.tar.gz
sudo tar zxvf WIN_pkg-3.0.6.tar.gz

3.展開したディレクトリ内に移動して、コンパイル
cd WIN_pkg-3.0.6
sudo ./configure --prefix=/usr/local/win
sudo make
sudo make install

4.できたファイルにパスを通す
vi .bashrc
などで設定を行う
export PATH=$PAHT:"/usr/local/bin"
を追加

5.テストをする

  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 14:13Comments(0)スタッフ日記

2020年07月10日

高感度地震観測網Hi-netデータを扱う その1

防災科学技術研究所が配信している
高感度地震観測網Hi-netってのがある。
https://www.hinet.bosai.go.jp/?LANG=ja
地震学の見習い坊主なので、詳しくとはよく分からない。

とりあえず、防災科技研が独自に拡張したWIN32形式っていうので
データが配信されている。

これを扱うために、東京大学地震研究所が開発したWIN形式というものに
変換する必要があるあしい。
そして、WINシステムというツール群で扱うのが、
とりあえず入門者がやってみるべきことらしい。

ということで、WINシステムのインストールや
防災科技研が配信しているwin32toolsを使ってみようという試みを始める。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 22:04Comments(0)スタッフ日記

2018年11月26日

【Javaで数値計算入門】その2:ラグランジェ補間

(n+1)個の既知の点 [x,f(x)] を n次多項式で近似し
求めたい点x=pのf(p)を推定する方法。
public class LagrangeInterpolation {
public static void main(String... args) {
int n_points = 4;

double p = 20.; // x-value for f(p)
double ans=0.;

double L_bunshi1;
double L_bunbo1;
double L_bunshi2;
double L_bunbo2;

double lj;

double[] x = new double[n_points];
double[] f = new double[n_points];
//double[] l = new double[n_points];

x[0]=19.9466;
f[0]=2.712;
x[1]=19.9907;
f[1]=2.714;
x[2]=20.0349;
f[2]=2.716;
x[3]=20.0793;
f[3]=2.718;

for (int j = 0; j < n_points; j++) {
L_bunshi1=1.;
L_bunbo1=1.;
L_bunshi2=1.;
L_bunbo2=1.;

for (int jj = 0; jj <= j - 1; jj++) {
L_bunshi1=L_bunshi1*(p-x[jj]);
L_bunbo1=L_bunbo1*(x[j]-x[jj]);
}
for (int jj = j+1; jj < n_points; jj++) {
L_bunshi2=L_bunshi2*(p-x[jj]);
L_bunbo2=L_bunbo2*(x[j]-x[jj]);
}
lj=(L_bunshi1*L_bunshi2)/(L_bunbo1*L_bunbo2);
ans=ans+f[j]*lj;
}
System.out.printf("x = %8.6f, f(x) = %11.9f" , p,ans); //True f(20) = 2.7144176
}
}

以上を実行してみると
x = 20.000000, f(x) = 2.714421340
が得られた(環境により変化する)

※参考:「理工学のための数値計算法」p.24
    「数値計算入門 C言語版」p.97-98
  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 22:31Comments(0)javaで数値計算入門

2018年11月25日

【Javaで数値計算入門】その1:エイトケン加速

級数の和の加速法の一つエイトケン加速

円周率を求める級数の一つを加速させて計算する。
π/4なので、4倍すると円周率になる。

public class AitkenProcess {

public static void main(String... args) {
double[][] s = new double[10][10];

for (int n = 0; n < 10; n++) {
for (int k = 0; k < n + 1; k++) {
s[n][0] += Math.pow(-1., k) / (2 * k + 1);
}
System.out.printf("n = %3d, k= 0, s = %10.8f \n", n, s[n][0]);
}

for (int n = 1; n < 9; n++) {
for (int k = 0; k < n; k++) {
s[n][k + 1] = (s[n + 1][k] * s[n - 1][k] - (s[n][k] * s[n][k]))
/ (s[n + 1][k] + s[n - 1][k] - 2 * s[n][k]);

System.out.printf("n = %3d, k= %3d, s = %10.8f \n", n, k + 1, s[n][k + 1]);
}
}
}
}


※参考:「理工学のための数値計算法」p.9  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:15Comments(0)javaで数値計算入門

2018年07月16日

【GMT講座12】pscoast その4

引き続いて、今回は異なる絵になります。
pscoastを使います。

円錐図法の一つのアルバート正積図法になるようです。
そのため、-Jオプションは
-JB経度/緯度1/緯度2/幅
を指定するようです。

とにかく実行してみると、
$ gmt pscoast -R-130/-70/24/52 -JB-100/35/33/45/6i -Ba -B+t"Conic Projection" -N1/thickest -N2/thinnest -A500 -Ggray -Wthinnest -P > GMT_tut_4.ps



となります。

国境線や州境も入ってますね。
オプションは次回くわしく見てみます。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:16Comments(0)GMT

2018年07月12日

【GMT講座11】pscoast その3

エクササイズを見てみると、
gmt.confファイルのFORMAT_GEO_MAPを変えて
試してみましょう。
とあります。

gmt.confファイルはGMTの環境設定をする
ファイルで、これで、いろんなことを設定できるようです。

設定を変更するには gmtsetコマンドを使います。

では、
$ gmt gmtset FORMAT_GEO_MAP ddd:mm
と打ち込んでみます。

同じ範囲で pscoastを使ってみますが
違いを見やすくするために -B オプションを -Ba2.5として
2.5度づつ目盛りを打つようにします。

$ gmt pscoast -R270/290/0/20 -JM6i -P -Ba2.5 -Gchocolate > GMT_tut_3b.ps

を実行すると、

となります。

度分表示になります。
0.5度ずつなので、30’(分)刻みで表示されています。

度だけで、1度未満が小数点以下で表示されるようにするには
$ gmt gmtset FORMAT_GEO_MAP D
とします。

同じコマンド(出力ファイルだけ変えてます)
$ gmt pscoast -R270/290/0/20 -JM6i -P -Ba2.5 -Gchocolate > GMT_tut_3c.ps
を実行すると


違いが分かると思います。

gmt.confは奥が広そうなので、私も勉強しつつ、今後も取り上げるようにします。
  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 22:58Comments(0)GMT

2018年07月11日

【GMT講座10】pscoast その2

前回実行したコマンドは
$ gmt pscoast -R-90/-70/0/20 -JM6i -P -Ba -Gchocolate > GMT_tut_3.ps
です。

-Rオプションは、psbasemapと同じですね。
x軸、y軸の範囲を設定していますが、
ここでは緯度、経度になっています。
また、マイナスは西経、南緯を表します。
プラスの場合は東経、北緯です。
つまり、西経90度から西経70度と
北緯0度(赤道)から北緯20度の範囲を
指定しています。

-Jオプションは投影の仕方です。
Mでメルカトル図法を指定しています。
6iは6インチで、グラフの大きさを指定しています。

-Bオプションは境界の描き方です。
aで目盛りを描くと指定しています。

-Gは塗りつぶし方を指定していて、
chocolate色に指定しています。

-Pは用紙を縦置きにするためのオプションです。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:48Comments(0)GMT

2018年06月26日

【GMT講座9】pscoast その1

今回から、地図を描いていきます。
pscoastというコマンドを使います。


では、さっそく、チュートリアルを参考に
$ gmt pscoast -R-90/-70/0/20 -JM6i -P -Ba -Gchocolate > GMT_tut_3.ps
と打ち込んでください。

もしかすると、エラーが発生する場合があります。

pscoast: GSHHG version 2.2.0 or newer is needed to use coastlines with GMT.
Get and install GSHHG from ftp://ftp.soest.hawaii.edu/gshhg/.
pscoast: Could not find file [GSHHG low resolution shorelines]
pscoast: No GSHHG databases available - must abort

海岸線のデータであるGSHHGというものがインストールされていないときに
発生します。

$ sudo apt install gmt-gshhg
と実行するとデータがインストールできます。
より高精度なものや、粗いものもあります。

その上で、再度、先程のpscoastコマンドを実行してください。


地球のあるところの海岸線が描かれます。
縦軸、横軸が緯度、経度を表していますので、
調べてみてください。

オプションは次回に説明していきます。


  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 22:16Comments(0)GMT

2018年06月24日

【GMT講座8】psbasemap その6

psbasemapも今回で終わりです。
チュートリアルの
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.4.3/pdf/GMT_Tutorial.pdf
エクササイズを試してみましょう。

今回はg3オプションを-Bオプションにつけてみます。

$ gmt psbasemap -R1/10000/1e20/1e25 -JX9il/6il -Bxa2f3g3+l"wevelength(m)" -Bya1pf3g3+3+l"Power(w)" -BWS > GMT_tut_2.ps

すると、グリッドが引かれます。

psbasemap8
  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 16:34Comments(0)GMT

2018年06月22日

【GMT講座7】psbasemap その5

gmt psbasemap -R1/10000/1e20/1e25 -JX9il/6il -Bxa2+l"Wavelength (m)"
-Bya1pf3+l"Power(W)" -BWS > GMT_tut_2.ps

-Rオプションでx軸とy軸のそれぞれの範囲を指定します。x軸は1から10,000まで、
y軸は10の20乗から10の25乗までと指定しています。1e20は指数表記でeの前後で
仮数部、指数部を表しています。

-Jオプションで、投影方法と縦横の大きさを指定します。前回と同様、大文字X
で直角座標を指定しています。横幅が9インチ、縦幅が6インチで、対数グラフの
場合は小文字のlを付けます。

-Bオプションで、軸の目盛等を指定します。
今回は小文字のxとyをオプションに付けることで
x軸とy軸を分けて設定しています。
また、小文字lをオプションに追加して軸毎のラベルを設定しています。

最後の -BWS も -Bオプションの一つですが、
WはWestで左側の縦軸、SはSouthで下側の横軸を表しています。
大文字にすると、軸と目盛などが表示されます。
小文字にすると、軸だけが表示されます。
指定しないと表示されません。
ここでは右側の縦軸E(e)と上側の横軸N(n)が指定されていないので
表示されない設定となっています。


  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:54Comments(0)GMT

2018年06月21日

【GMT講座6】psbasemap その4

チュートリアルを参考に、次にいきましょう。

今回も、psbasemapですね。
両対数のグラフになります。


$ gmt psbasemap -R1/10000/1e20/1e25 -JX9il/6il -Bxa2+l"Wavelength (m)" -Bya1pf3+l"Power(W)" -BWS > GMT_tut_2.ps

を打ち込み、実行すると、



横置きの紙に
下と左のみ軸が描かれて、それぞれが対数表示になっていますね。
またそれぞれの軸にラベルがつきました。

次回で、オプションの解説をします。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 23:11Comments(0)GMT

2018年06月20日

【GMT講座5】psbasemap その3

前回のpsbasemapのオプションを少し変えてみて
どうなるか見てみましょう。

グラフの範囲をx軸について、−100から100まで
y軸を-60から60までにします。
-Rオプションは -R-100/100/-60/60にします。

目盛りを20毎に数値を入れて、小さい目盛りを10毎に入れ、
20毎にグリッドの線も入れてみます。
-Bオプションに f と gを加えます。また数値を入れてそれぞれ指定します。
-Ba20f10g20とします。

グラフの大きさは横に5インチ、縦に3インチにします。
-Jオプションは-JX5i/3iとします。

描画域の色を青色に
タイトルも「My Second Plot」に変更してみましょう。
-B+gblue+t"My Second Plot"とします。

紙は横置きのため -P オプションは抜きました。

コマンドは
$ gmt psbasemap -R-100/100/-60/60 -JX5i/3i -Ba20f10g20 -B+gblue+t"My Second Plot" > GMT_tut_1b.ps
になります。
出力ファイル名も変更しています。

出来上がる図は次のようになります。


  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 22:49Comments(0)GMT

2018年06月19日

【GMT講座4】psbasemap その2

前回では、
$ gmt psbasemap -R10/70/-3/8 -JX4i/3i -Ba -B+glightred+t"My first plot" -P
> GMT_tut_1.ps
を実行してみました。

それぞれのコマンドを詳しく見ていきましょう。

GMTにおいて、コマンドのことを調べるには、
man pagesを参照するのが一番良いです。
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.3.2/man_pages.html
ただ、英語なのでいろいろ困難を伴うところもあります。

ちなみに、psbasemapコマンドは
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.3.2/psbasemap.html
を見てください。


まず、冒頭に
psbasemapは
Postscript(ポストスクリプト)
の白地図を描くものです
と書かれています。

グラフの大きさの設定や、
横軸(x軸)・縦軸(y軸)について範囲や目盛の付け方、
グリッドを描くか、タイトルやラベル等の
設定をするために、まず呼び出すコマンドと
考えるといいと思います。

グラフの中身については、psbasemapで描いた白地図(軸など)
に上書きしながら付け加えていくイメージで大丈夫です。


記述の仕方は、
psbasemap -Jparameters -Rwest/east/south/north[/zmin/zmax][r] [ -B[p|s]
parameters ] [ -A[file] ] [ -Dinsert box ] [ -Fbox ] [ -K ] [ -Jz|
Zparameters ] [ -Lscalebar ] [ -O ] [ -P ] [ -U[stamp] ] [ -Trose ] [ -
Tmag_rose ] [ -V[level] ] [ -Xx_offset ] [ -Yy_offset ] [ -ccopies ] [ -
fflags ] [ -pflags ] [ -ttransp ]
となっています。

たくさんオプションがありますが、
-J -Rオプションは必須のようです。
[ ]で閉じられたオプションは必要に応じて設定します。

前回の例では、
-R10/70/-3/8
-JX4i/3i
-Ba
-B+glightred+t"My first plot"
-P
の5つオプションを使用しています。

-Rオプションは
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.3.2/gmt.html#r-full
に詳しい説明があります。
このオプションでx軸、y軸の範囲を設定します。
ここでは、x軸を10から70までの範囲に、
y軸を-3から8までの範囲に設定しています。


-Jオプションは
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.3.2/gmt.html#j-full
に詳しい説明があります。
-Jオプションは、地図やグラフの投影の仕方を設定します。
Jに続けて文字を加えることで設定します。
たとえば、-Jmとするとメルカトル図法で描く等の設定があります。
ここでは -JX4i/3i となっていますので、Xで直角座標系の投影法を
指定し、4i/3iでx軸、y軸のそれぞれの長さを指定しています。
iはインチを表すので、x軸が4インチ、y軸が3インチとなります。
注意すべきは小文字を用いた-Jxでは、違う設定になる点です。
小文字xを用いた場合、1単位当たりの長さを指定することになります。



-Bオプションは
軸等の設定をするオプションです。
まず-Baのaは「anotation」の頭文字から取られています。
目盛の数値を描くかを設定します。aに続けて数値を入れると
目盛の数値の間隔を設定できます。
また、-B+glightred+t"My first plot" は
+gに続いて描画領域の色を設定し、
+tに続く文字列でタイトルを設定します。

最後の-Pオプションは
紙を縦置きに指定するものです。
「Portrait」のPです。
指定しないと横置き(Landscape)になります。

では、もう一度出力を確認してみましょう
psbasemap2

  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 20:31Comments(0)GMT

2018年06月18日

【GMT講座3】psbasemap その1

では、さっそくGMTを始めましょう。

本家GMT wiki
http://gmt.soest.hawaii.edu/

チュートリアルを参考にすすめるのがいいと思います。
http://gmt.soest.hawaii.edu/doc/5.4.3/pdf/GMT_Tutorial.pdf

pdf版がダウンロードできます。

まずは、基本コマンドである
psbasemap
を試してみましょう。

GMTのバージョン5からは、
$ gmt psbasemap
のように
gmtというコマンドに続けて、入力します。

これだけ入力してリターンすると、

psbasemap1

となってエラーがたくさん出てきちゃいます。

GMTでは、コマンドに引き続いて、いくつかのオプションをつけなければいけません。
-J や -R と言ったものです。
他にも、出力される画像(ポストスクリプト形式のもの)も指定しないといけません。

tutorialでは、
$ gmt psbasemap -R10/70/-3/8 -JX4i/3i -Ba -B+glightred+t"My first plot" -P > GMT_tut_1.ps
となっているので、
入力すると GMT_tut_1.ps
というファイルができあがります。

psbasemap2

こんな感じ。
次回はこの説明で。

  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:20Comments(0)GMT

2018年06月17日

【GMT講座2】GMTをインストールする

第2回目は、GMTをインストールします。

ubuntu18.04では、ターミナル(端末)を立ち上げ
$ sudo apt install gmt
と打ち込み、続いてパスワードを入力すれば、
インストールされる。

海岸線のデータもインストールしたい場合は、
$ sudo apt install gmt-gshhg gmt-gshhg-high gmt-gshhg-low
を実行すればよい。

随分、簡単になりました。

$ gmt
と打ち込んで、エラーがでなければOKです。

$ gmt --version
と打ちこむと、バージョン情報がでます。
  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 12:07Comments(0)GMT

2018年06月15日

【GMT講座1】GMTとは

GMTとはGeneral Mapping Toolsの略で、
ハワイ大学で開発されている。
オープンソースの約80のコマンドラインで
扱う命令群である。
高度な地図やグラフが作れ、無料で利用が可能である。
GSHHGの海岸線のデータやDCWの国境線のデータなども
簡便に用いることができる。

GMTは現在、世界各地のボランティアやNationalScienceFoundationの
サポートのもと、Paul Wessel氏、Walter H. F. Smith氏、
Remko Scharroo氏、Joaquim Luis氏とFlorian Wobbe氏により、
開発・メンテナンスが行われている。

GMTに関する情報は、ハワイ大学のサイト
http://gmt.soest.hawaii.edu/
で得ることができる。

WindowsやMacでも利用可能であるが、Linuxでの利用が一番利用しやすく
情報も多い。
当サイトではUbuntu(18.04LTS)上でGMTのバージョン5.4.2を
用いる形で当面は進めていく。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 19:12Comments(0)GMT

2017年06月30日

第1回 arduino勉強会

6月25日に、和歌山市内の北ぶらくり丁会館にて
arduino勉強会を開催しました。

arduino(アルドゥイーノ)とは、オープンソースハードウエアの
代表的なデバイスで、
コンピュータや電子機器の理解、プログラミング言語の
習得などに最適な教材です。

arduinoはいくつかの種類がありますが、
もっとも一般的なarduino unoを使って、
しばらく基礎的な勉強を重ねていく予定です。




こんな感じの、手のひらサイズのかわいいやつです。
日本なら、3千円くらいで手に入ります。



これをパソコンに繋いで、C言語風のプログラムを
arduinoに流し込むと、いろんな動作が可能になります。
arduinoには、センサーやLED,モーターなどの電子部品を
接続すれば、センサーからの情報を取得したり、
LEDに出力したり、モーターを動かすことができます。

これらを組み合せば、いろんなことが可能になるのです!

今回は初めての勉強会だったので、
arduinoの基本事項を勉強して、
・arduino上のLEDを光らせる(Lチカ)
・ブレッドボードを接続して、ブレッドボードに
 付けたLEDを光らせる
・タクトスイッチを使って、パソコン画面に
 タクトスイッチのオン・オフ状態を表示する
・タクトスイッチを使って、LEDをオン・オフさせる
作業をしてみました。






今後も、定期的に開催予定です。
(次回は7月16日(日曜日)を予定)

電子工作に興味がある方や、
お子さんの夏休みの自由研究に使えそうって思われる方、
プログラミングの練習をしてみたい方
など、
幅広く楽しめるツールです。


ご興味ある方は、ぜひご連絡ください。
wsc.infinity@gmail.com
  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:07Comments(0)arduino勉強会

2017年06月25日

わかやま路上観察学 無用扉

超芸術トマソンというものがありますが、
これらは和歌山でも散見されます。

都市の間で生まれる超芸術ですが、
見ようと思って探さないと、なかなか
見つけることができない面白いオブジェクトです。

トマソンには、いくつかのタイプに分類されますが、
今回は「無用扉・無用窓」と「原爆タイプ」を取り上げます。

1.無用扉と無用窓
建築物は基本的に壁と柱から構成されますが、
人間やモノの出入りのため、また、室内環境を
快適にするため、扉や窓といった開口部が設けられます。

その開口部を、なにかの理由で閉じたもの。
無用となった開口部がトマソンとして鑑賞できます。



2.原爆タイプ
都市には密接した建物が多数あります。
その隣の建物が、何かの理由で忽然となくなってしまうと、
隣の建物に現れるトマソンの一種。

在りし日の姿がしのばれれます。


  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 11:52Comments(0)わかやま路上観察学