2021年02月24日

「火星の音」をスペクトル解析してみた

米国の航空宇宙局(NASA)の火星探査車
「パーシビアランス(Perseverance)」が無事到着したニュースが話題になっています。
昨日は、同探査機で録音された「火星の風の音」がネットに公開されて
これまた話題になっています。

NASAのサイトでは、二種類の音声がアップロードされています。
1つは探査機のノイズも込みのもの(生音に近いのかな?)と
もう1つは探査機のノイズをフィルター処理して、ノイズを低減したもののようです。
ぜひ、下記のサイトにアクセスして、火星の音を楽しんでください。
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-mars-perseverance-rover-provides-front-row-seat-to-landing-first-audio

火星はかなたにあるお隣の惑星です。近づいたときでも、約6000万キロメートルだそうです。
地球よりは少し小ぶりな星だそうですが、大気があり、風が吹き四季もあるそうです。
朝焼けや夕焼けもあるみたいです。
でも大気はとても薄くて、地表の大気は約7hPa程度だそうです。
地球は約1000hPaですから相当薄いですね。

NASAのPodcastで解説を聞くと、空気が薄いので音がソフトに聞こえるそうです。
火星の大気中での音の聞こえ方がシミュレートされて、それも聞くことができます。
https://soundcloud.com/nasa?fbclid=IwAR3oHdtvfMMIc-Vx0lcqNu_JVLruQQDJ36RlhaNjE2HsYIQDbgMdoLy190w

はるか遠くの星で聞こえる音を聞くことができるなんて不思議ですね。

録音されたのはDPA4006という無向性のマイクで市販されていたマイクだそうです。
https://www.hibino-intersound.co.jp/dpa_microphones/208.html

その音を聞きながら、スペクトログラムを描いてみたらどうかと思って試してみました。
スペクトログラムとは、音声波形を短時間フーリエ変換したもので、
周波数帯の時間変化をある程度確認できるものです。
(不確定性原理のため時間分解能と周波数分解能はトレードオフになります)

まず、ノイズ込みのもの波形を描くと、
「火星の音」をスペクトル解析してみた
です。
約18秒のものです。
これのスペクトログラムを描いたものがこちらです。
「火星の音」をスペクトル解析してみた
専門家でもないので分かりませんが、
波形の振幅が大きいくなってるところで確かにスペクトルが大きくなっているように見えます。

特に工夫もせず、ハミング窓という窓関数をかけたものなので、最適な窓関数や
オーバーラップなども変えれば違う見え方がするかもしれません。

でも、こうやって最新の宇宙探査の一端に触れられるのはとても好奇心が刺激されますね。

一方のノイズ除去の音声の波形とスペクトログラムはこちらです。
「火星の音」をスペクトル解析してみた

「火星の音」をスペクトル解析してみた
たしかにノイズ成分が除去されているように見えます。
16kHzあたりの波打つ線がなんなのか気になりますね。

火星探査の新たなニュースも楽しみです。





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Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 20:02│Comments(0)スタッフ日記
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