2017年02月16日

Javaを使った有限体積法による数値計算(1)

ここ数ヶ月、流体の数値計算の勉強を続けている。
2次元の河床変動プログラムを作るのが、当面の最終目標。

河床変動の計算の基礎式は、
1:流体の質量保存則(連続の式)
2;流体の運動量保存則(ナビエストークス方程式)
3;流砂の連続式
4;流砂量式
である。これら4つの方程式を解くことで
流れの場を一般的には求めることができる。

これらの式は複雑に絡み合い、特に2の運動量保存則は、
非線形の方程式(移流方程式)であり、一般に解析的に解くことが
できない。
そこで、数値計算が多用される。

数値計算においては、上記の方程式を離散化して、
解く方法がとられている。

その離散化の方法の違いにより、大きく
1: 格子法
2: 粒子法
に区別される
(他に個別要素法があるが、どう分類されるのかはまだ、勉強不足)

最近は2の粒子法も注目を集めているが、
計算範囲が大きい場合や、時間スケールを長くするには、
計算パワーが必要なことから、まだまだ一般的ではない。
粒子法については
粒子法入門 流体シミュレーションの基礎から並列計算と可視化まで C/C++ソースコード付
が詳しくて分かりやすい。

このため、一般には1の格子法が採用される。
格子法は、さらに、
A:差分法
B:有限体積法
C;有限要素法
などに分類される。

差分法は、微分方程式をテイラー展開を利用して離散化する。
また、有限要素法は、重み付きの関数を用いて離散化する。
(有限要素法も勉強不足)
一方で、有限体積法は、コントロールボリュームと呼ばれる
有限な体積の要素に積分することで、その収支を用いて離散化する。
有限体積法では、コントロールボリュームの質量収支等を考慮するので、
質量が保存されやすいという特があり、この点が他の計算方法との違いと
言われている。

連続体としての質量の保存を重視する流体力学の数値計算では、
有限体積法が人気を集めているようである。
他の工学分野(構造力学等)では、有限要素法が一般的なようである。

以上のような理由から、有限体積法を用いて、
数値計算(数値シミュレーション)を進めていくこととした。


なお、使用言語は、
Javaを使っていくことにする(途中で変更するかもしれない)
もともと数値計算でよく用いられているFortranも使っていたが、
Androidアプリ開発のため、Javaを勉強し始めたことと、
オブジェクト指向を理解するためにも、Javaをプログラミング言語として
学んでいくことは、今後に役立つと考えたためである。


有限体積法の勉強に用いた参考文献を以下に示す。











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Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 21:07│Comments(0)スタッフ日記気になる水理学
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