2012年01月22日

素粒子論サイエンスカフェ 2012年1月20日

弘前大学教育学部准教授の佐藤松夫さんを
ゲストにお迎えした第8回和歌山サイエンスカフェも
無事終了しました。

佐藤さんは、関東で10日間の研究会でホテル詰めだった
らしく、当日移動で和歌山に来ていただけましたが、
雪の影響もあり、開始直前の和歌山入りとなりました。

お話は3部構成で、
1部は物質は何から構成されているのかという
素粒子の概論を聞かせていただきました。
初めは、水素や酸素などの原子が基本物質だと
考えられ周期表が作られていきました。
さらに発展して、それらはさらに陽子や中性子、電子から
構成されることが分かってきました。
現代では、クオークなのでさらに小さい粒子から構成
されていることが明らかになっています。
また、力そのものも粒子の交換によると考えられ、
ゲージ粒子が発見されています。

2部は、クォークなどの素粒子がさらに何かから
構成されていると考え、究極の素粒子を考える
佐藤さんのライフワークでもある「超ひも理論(超弦理論)」
へと論が進んで行きます。
話は10次元空間でのモデルなどの話が出て、
物理学の深淵をすこし垣間見ることができた気がします。

3部は、実験物理学や宇宙論との関係などの
お話を伺うことができました。

素粒子論サイエンスカフェ 2012年1月20日

今回も多数の方に参加いただけ、多くの質問を佐藤さんに
寄せていただきました。
また、トーク終了後は、最近話題のヒッグス粒子についても
質問が出て、佐藤さんからは、やはり本当に理解してもらうには
数式が必要なんだとの益川先生の言葉を引用しつつ、
概略的に、ヒッグス粒子によって質量が生まれる原理を
黒板をつかって説明いただきました。
素粒子論サイエンスカフェ 2012年1月20日


トークの途中で何度も佐藤さんの口に上ったのは、
数式を使わずに分かりやすく説明しようとすると、どうしても
ウソが含まれてしまう。一般向けの解説本とかはそういう
ことが多々あるそうです。
今回の佐藤さんが作製されたプレゼン資料はその点に
最新の注意を払い、現代の物理学からみて
誤ったことを含んでいないものにしている、ということでした。

厳密さに重んじる科学者としての姿勢を伺うことができ、
とても印象的でした。



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Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 05:25│Comments(0)サイエンスカフェ実施リポート
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