2012年11月10日

「考現学入門」

「まちづくり」と出会って、3年近い月日が経ちました。

その過程でたくさんの方と出会いました。
思想的な観点で自分に影響を与えていただいた方々を
振り返ってみました。

最初に洗礼を受けたのは、当時の高野町副町長、高橋さんでした。
高橋さんは、地元飯田市で、再開発などの事業を手がけてこられ
ましたが、単なるハードで終わらない、まちづくりをされていました。
そして、根底にながれる思想は「民族学」でした。

次は、東京大学の堀先生。
東京の研修でお話を伺って以来、そのホスピタリティ表現を通じた
まちづくりは、特に影響を受けました。
和歌山の方にもぜひ、聞いてもらいたいと思い、その実現に
奔走していた最起の二年でした。
今年度やっと二回、来県いただく機会を得、すばらしい
理論をすこし接することができました。

先日は田辺市でまちあるきをご一緒でき、帰納と演繹の両面から
まちづくり理論をまなぶことができました。
送迎の車中や懇親会で、東京大学造園学の景観への連綿とした
歴史をうかがうことができ、新たな感動を得ました。

堀先生の理論の根底にあるのは、観察とロジックだと感じます。

そして、アフタヌーンソサエティの清水先生。
田辺の方々に、ご紹介いただいた清水先生は、「家守」という
リノベーションを通したエリアマネジメントという考え方を
教えていただきました。

清水先生のまちづくりの根底にあるのは「考現学」と伺いました。
考現学は、「現在」(風俗や慣習、身の回りにあるもの)をつぶさに
観察し、考える学問です。


これら3名の方に共通するのは、まさに現代の街を見つめ、
その成り立ち、要因を考え、そして未来をどうする、
どのような作用をもたらすことが、
最良の未来を得ることができるのか、考え、実践することだと
ここ最近の結論と考えています。


いまさらながら、今日先輩に、今和次郎(こん・わじろ)の
「考現学入門」
考現学入門 (ちくま文庫)
をお借りしました。

背表紙の紹介には
「震災後の東京の町を歩き、バラックのスケッチ
 から始まった<考現学>」
とあります。

まさに、過去から現在、未来へと続く、「まち」を
つぶさに観察し、何をしなければならないか考える
にあたって、「考現学」を学ぶことは必須だと思います。  


Posted by 和歌山サイエンスカフェインフィニティ at 20:43Comments(0)気になる本